botan-ao.gifまるマ原作(小説)感想botan-ao.gif

※管理人はヨザック好きのため、感想が彼に偏りがちになることがあります。ご了承下さいー。

 

「故郷へ(マ)のつく舵をとれ!」

 またしても、登場人物紹介のページにお庭番が不在。頭からいきなり落ち込ませてくれますよ。(苦笑)まぁ、彼に関する云々は、最後の方にまとめて記述します。とにかく今回の感想も無駄に長くなりそうなので。はは。(遠い目)

 

 まずはやっぱり主人公さん、有利(身長169.8cmと判明!)ですかね。喬林先生も仰っていましたが、王としてどんどん成長しているようで。作戦も、ムラケン君に「意外とそつがない」と言わせるほどのものを立ててみせたり。いくら捕手をしているからって、そうそう誰でもできることではないと思います。

 自称も、「新前」から「半人前」へ。まだまだ王として胸は張れなくても、いつまでも「新前」を理由にしない、それに甘えない。自ら「半人前」と言うことで、そこに自分を近づけようとしている……(んじゃないかな?苦笑)。偉いなぁと思いながら読んでいました。

 でもやっぱり、これまた喬林先生も仰っていましたが、おばかちんな一面も見え隠れ。あの素晴らしいセンスの計算ミスとかね。(笑)陛下、一の位と十の位が逆です!! それに、あのアーダルベルトさえ顔色を変えて逃げ出そうとする「極寒ダジャレ男」ウェラー卿に否定される、有利の笑いのセンスって……。(笑)でもそうですかぁ、有利には未だに、ウェラー卿は気分爽快なナイスガイに映っているんですかぁ。へー……ふーん……。(←いえいえ、別に深い意味なんて無いですよ?笑)

 それから、イェルシーに対して、皮肉というか負け惜しみというか……な発言をする有利に、ちょっとスッキリさせていただいたり。(←イェルシーはお庭番のことがありますからね、管理人としてはそんな気分になってしまうのですよ。苦笑)マニメの有利じゃ、まず言わないであろう台詞ですが、私は原作の有利のこういう面も好きです。マニメの完璧な善い子の彼もいいですが、原作の方が人間くさい気がして、私は好きです。(もちろん、原作の有利も充分、一般的に見れば善い子すぎる高校生ですけれどね。)

 

 そして、有利ととの関係性も見えてきたり。凍土の業火に近づいた時に現れた“別人有利”の発言によれば、有利も箱の鍵を宿しているようです。魂のリサイクル元はジュリアさんですし、ヨザックを倒した(泣)闘拳も、おそらくウィンコットの武術。そして「水」と連発している辺りから、マニメと同じく鏡の水底の鍵のようです。(サラも、有利の属性は水だと言っていましたし。)

 ただ、ムラケン君が「有利なら、まぁ箱は開かない」と言っていました。あれはどういうことでしょう?魂の時代から有利のことを覚えているのに、有利の魂の元がジュリアさんであることまではムラケン君は知らないのでしょうか?それとも、ここでも有利(というか、ウィンコット)は特別で、ウェラーやビーレフェルトと違い、他の箱には影響を与えにくい鍵だということでしょうか?(←別人有利も、水以外の属性を激しく嫌うような発言をしていましたし。)

 

 うわー、主人公さんでどれだけ語ってるんだ私。(苦笑)どんどん他の方もいきましょう。

 ヴォルフラムはもう、前回から引き続き、男前街道を驀進中ですね。有利への慇懃な態度が増えたり、領地の管理人としての一面も覗かせたり、顎割れマチョさんを口から出まかせで言いくるめてみたり。(笑)

 彼についてもやっぱり、原作の方が好きかもしれません。マニメの彼も可愛らしいですが、私は可愛さより男前な方を求めてしまうようです。(苦笑)

 

 そして有利がその場にいないのをいいこと(?)に、なんだか凄い遣り取りを展開してくださった、ウェラー卿ムラケン君。でも私は、こういうブラックな会話も嫌いじゃないですよ?(ニッコリ)

 「ユーリ」と口走るウェラー卿に、いちいち陛下と呼べと注意するムラケン君。(←そして自分は、これでもかと「有利」「ゆーちゃん」呼び。笑)でも彼の言う通りですよ。一応まだ大シマロンの使者なんですよ、ウェラー卿。(苦笑)結局彼はどうするのでしょうね?ラスト側で「すぐ追いつく」と言っていましたが、それは眞魔国側に戻ってくるということ?でも、そう簡単に戻れるものなのでしょうか?それに、本人曰くの「種捲き」は、もう全て完了しているのか。それをするために大シマロンへ行ったのですから、きちんと遂行できるまでは帰ってくるわけにはいかないでしょうし。うーん。

 さて、そんなウェラー卿も言われっぱなしにはなりません。「有利が悩んでいるのは誰のせいだ」というムラケン君の言葉に、「それが自分なら恐悦だ」と返しています。なんでしょう、この嫌み(?)の応酬。(笑)

 それにムカついたのかは不明ですが、ムラケン君、その後やってきたジェイフレ姉妹にウェラー卿のことを「胡散臭いおにーさん」と、どこかの諜報部員のように示します。そしてその指示でちゃんとウェラー卿についていくジェイフレ姉妹。そういう風に見えているみたいですよ、ウェラー卿?(笑)

 

 出番は少なかったですが、グウェンダルアニシナさんもよかったですー。そりゃあ、つっこみどころも満載でしたけれど(フォンヴォルテール卿のプリティー寝間着とか、アニシナさんはグウェンダルの“観察”をしているんだとか、小型動物と子どもの重さの違いには気付こうよとか)、何より二人のあの信頼関係が!じーんときました。いいですねぇ、こういう関係。いえ、決して「もにたあ関係」ではありませんよ?信頼関係です。(笑)

 アニシナさんの口から感謝の言葉が出たり、彼女の気分が浮き立ったというのも、更に感動に拍車をかけたかもしれません。グウェンダル、凄いです!(←アニシナさんを何だと思ってる。)

 グレタも相変わらずいい子で……。将来の夢については、有利やグウェンでなくても心配になるでしょうが、とても健気で聡い子です。(まぁ、それは大変な過去の結果とも言えるのですが……。泣)グウェンを必死に励まそうとしている姿も印象的でした。

 

 イェルシーは、ついに悪の面を発揮という感じでしょうか。アラゾンさんもあんなことになっているとは……。でも前回に引き続き、イェルシーは、どうにも変化(ぼんやり&ぽやん→悪役)が急激すぎる気がしました。まぁ、喬林先生も設定にはギリギリまで迷っていらっしゃったようですから、仕方ないのでしょうけれど。(←ザビvol.10にて、本当はイェルシーは素直な弟で終わらせるつもりだったことや、聖砂国編最大の鍵を握る人物を、アラゾンとイェルシーのどちらにするかギリギリまで悩んだことが語られています。)

 サラは、結局いつもの「実はそこまで悪い奴ではない?」なポジションに収まりかけていますが、個人的には…………うん、まぁ、毒舌になりそうなのでやめておきます。(苦笑)

 

 えーっと、お庭番以外ではこんな感じですかね。これから、お庭番の言動や、彼に関する他の人の言動を拾ってくつもりです……が、ここで一旦切ります。枠を変えたところであまり意味は無い気もしますが、とりあえず。

 長くてもう嫌!という方は、ここで引き返すのが無難です。(本当に)

 

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 さて、お庭番好きとしてはやはり、気になるのは彼の生死。彼は生きて操られているのか、死んで操られているのかという点ですが、今回は結構ヒントとなりそうなことがチラホラあった気がします。でも、これも長くなりそうなので、最後にまとめて。

 まずは、それ以外のお庭番関連を、箇条書きっぽくいきます。

 

アーダルベルト、どれだけお庭番と戦いたいのか。(苦笑)まぁ、確かに散々裏切り者呼ばわりされていたのは事実ですし、分からなくもないですが。というか、単に戦闘が好きなだけなようにも見えます。(笑)

 でも、お庭番の腕を認めてくれている発言は嬉しいですー。その後、実際に剣も交えていますが、どちらが強いのかは……互角でしょうかね?

 

◎有利がムラケン君との最初の会話を終え、独りで二頭の馬の間にいると、コンラッドがやってくるシーン。ここで当事者の二人ではなく、お庭番のことを拾う私は変わり者だと自覚していますが、語ります。(苦笑)

 こんな気持ちにさせていたのかと、有利に謝るコンラッド。彼が言う“こんな気持ち”を抱いた相手は、勿論お庭番なわけで……。ヨザックがいなくなったことについてクールな態度を貫いていたコンラッドですが、やっぱり心配していたようです。たぶんそうだろうなぁとは思っていましたが、こうして文中でハッキリと示してもらえてホッとしました。

 

◎これは、微妙にお庭番に関係ないといえばないのですが。ラスト側、港での有利とアーダルベルトの遣り取りが、魔剣編での有利とお庭番の会話に似ている気がしたんですが……私だけですかね?アーダルベルトが聖砂国に残るか残らないかという会話で、自分が残れば聖砂国を魔族の敵国にもできると言うマチョさんに、やればいいと返す有利。

 どちらの場合も、相手がそんなことをしないと信じているからこその「そうすればいい」なわけで……。あぁ、なのにお庭番ったら何てことになってるの!(泣)

 ただ、有利までも、お庭番が裏切ったわけじゃないと言い切れないのはちょっと寂しかったり。そりゃあ、次男閣下のことがありましたから(←操られているのかと思ったら違った)、慎重になってしまうのもわかりますが。お庭番は自分の意思で裏切ったりはしませんって!!

 

◎これまたお庭番に関係ないといえばないのですが。王佐閣下が入院している病院の看護師さん。ガチムチで、おねぇ口調で、ウィンクして、太い腕には革帯……どこかの諜報部員さんを思い出したのは私だけですか?(笑)そうですか、そうですね。

◎お庭番、アニシナさんからは「惰弱な男」という評価をいただいている模様。点数稼ぎが報われていないようです。(苦笑)

 

◎あのフォンヴォルテール卿を動揺させる男、ヨザック。まさか彼が、ヨザックのことでここまで反応してくれるとは思いませんでした。自分まで国を離れて現場に向かおうとするなんて……。(もちろん、お庭番だけでなく猊下のこともあるでしょうけれど。)

 そしてこんな場面なのに、庭番が「眞魔国有数の兵士」なんて言われていることにちょっと喜んでしまう、悲しいファン心理……。ごめんなさい、でもやっぱり好きなキャラが褒められてると嬉しいんです。

 

 さて、ようやくここから本題(?)に。お庭番の生死ですね。

 過去の特典だったお庭番の話、「どうぞよい旅を1・2」があれば、更に考えやすいのかもしれませんが、残念ながら管理人は持っておらず……。3には応募したのですが、そちらもまだ届いてはいませんし。でも、もうすぐ発送されるそうですね。内容的に「故郷(マ)」が出てからでないと発表できない話……とか?だったら尚更、お庭番の生死にも関係してくるのかもなぁと思ったり。

 まぁとにかく、無いものは仕方がないので、今回の本編からヒントになりそうな部分を拾っていきます。

 

 まずはコンラッドの発言。毒女印の赤い液がかかって倒れ込むお庭番を心配する有利に向かって、「大丈夫、今は死んでいません。いえ、というより彼は……」。その続きは!?

 すーっごく希望的展開でいけば、「いえ、というより彼はそもそも死んでなんかいなかったんです」ですが。ただ、イェルシーはどうやら死者を操れるようですからね。そうなると、生きているお庭番を操ることはできない?つまり、お庭番が操られていたフリをしていたということに。「さっき間近で見て分かった。陛下、こいつは操られているフリをしているだけです!」……今回の様子からじゃ、それは無いですよねー。(苦笑)あれでフリだったら、違う意味でショックかもしれません。

 でも、そうなるとやっぱり、「いえ、というより彼はもう既に死んでいます」……ですか?(泣)

 

 次は、ラスト側。港でのコンラッドとサイズモア艦長の会話。お庭番を寝かせている周囲に鋭利な物を置かないでくれ、と頼むコンラッドに、サイズモアさんが、「傷病兵の護送は、肉体だけでなく他の方面の場合も経験したことがある(から任せてくれ)」と言っています。……他の方面って!?

 傷病兵で、「“肉”体」以外というと……「“遺”体」?あぁ、何でそういう方向にばっかり思考が行きついちゃうのか。(泣)いやいや、「肉体」というのは普通の人って意味かもしれないですよ。普通の怪我人だけじゃなくて、精神不安定で暴れ出す人とか、それこそ操られてる人を護送したこともあるよー、という意味……だったりするのだろうか。(苦笑)

 鋭利な物を近づけない理由は、管理人はあまりよく分かっていません。(苦笑)とりあえず思いついたのは、お庭番がそれで暴れて攻撃してこないように&自害しないように、の二点ぐらいです。自害しないようにというのはアレです、間者さんが敵に捕まった時に、味方に迷惑をかけないように(味方の情報が漏れないように)自害する、という。あの場面が浮かびました。でも、操られ中のヨザックがそこまでイェルシーに対して忠実なのかは疑問です。

 

 そして何より、拝読していて辛かったシーンの一つ、お庭番が有利を箱に押しつける場面です。でも、有利の「やめてくれ」という言葉に、一瞬だけですがお庭番が反応している描写がありますよね。……そこに希望(←操られてはいるけど、潜在下では記憶や感情が残っている。)を持っちゃダメですか?

 また、もう一度対面するシーンでは、イェルシーの命令で有利に襲いかかろうとしていたゾンビ達を斬っています。これは、イェルシーの邪魔をした(反抗した)ことになるのでは?それとも単に、さっき別人有利にあっさり倒されたのが悔しくて、「コイツは俺が倒す!」みたいなことでしょうか。でも、今の彼にそんな感情なんて無さそうですしね。そもそも、そのつもりならさっさと有利に襲いかかればいいのに、ただその場に向かいあって立っているだけ。……希望を持っちゃダメですか?(ちなみに、その有利と向かい合っているシーンで、お庭番の中に何か変化が起こるんじゃないかと期待していた管理人は、ウェラー卿が突入してきて「をいぃぃっ!」と内心ツッコミを入れたとか入れないとか。(苦笑))

 あぁ、でも、覚えていたら覚えていたで、元のお庭番に戻った時に、自分のしたことに苦悩しそうですね。有利やムラケン君にひどいことをしたと。うーん、複雑。でも、やっぱり元の彼に戻ってほしいというのが個人的な本音ですね。

 

 そして、お庭番にかかった赤い液、マージョルノキケーンU液の効果は、「初めに見たものを母親と思う」でしたが。まぁ、目にかかっただけで飲んではいないでしょうから、アーダルベルトを「お母様?」と呼びだすなんてオチはないと思います。そうなったら私は笑えません。

 この液のお蔭でお庭番が元に戻る……ということも、無いでしょうね。あの液はきっと、(アーダルベルトはそんなつもりで懐に入れていたわけではないでしょうけれど)お庭番を戦闘不能にする役割で登場しただけではないかと。

 

 しかし何にせよ、頼れるのはその液の製作者、アニシナさんだけのようです。コンラッドも心当たりがあると言っていましたし。ちなみに、その時彼が口にした悲劇って……例の「ロメロとアルジェント」ですかね?あの時は確か、グウェンの腐乱した腕の復活まで二月かかっています。(苦笑)

 

 とまぁ、色々グダグダ語りましたが、やはり、有利が言っていた「近くにいて、生きていてくれるだけでいい」という言葉が全てではないかと。これからどうなってしまうのか……。

 本当はもっと、他にも語りたい人がいたんですけれどねー。鳩を待ち続ける円形脱毛の美形魔族さんとか、ついに冒頭の独白ページにまで進出したおヒゲの人魚さんとか、一番星・二番星の頭部を持つ二人組とか、私よりも絶対に運動神経がいい男前老婦人さんとか。

 ですが、いい加減にやめておきます。(苦笑)ここまで読んで下さった辛抱強い貴方様、本当にお疲れ様でした。

 

 

 

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