原作(小説) 感想
「今日から(マ)のつく自由業!」2巻・special short shortより <<蓋もない。>> 話はコミックスの内容に合わせて、ヴァン・ダー・ヴィーア島へと向かう船上。港を出て間がないのに、隙を見ては船内を歩き回る主人に困り果てるコンラート視点です。 息巻いて船室へと戻ってきた有利の第一声は「手品ってできる?」。あまりに唐突で、次男、無闇に歩き回るなと
過保護な親よろしく小言(←本人曰く 「お願い」)を言うのも忘れます。 なぜいきなり手品か?それは、船の柱に貼られていた紙を見たから。“お子様、お楽しみ、大奇術大会で、盛り上がろう!”。でも通りすがりの船員に訊けば、マジシャンなんて乗っていないと言われ、有利はご立腹なのです。この辺りの有利の暴走妄想はすごいですね。どこからそんなストーリーが。さすがの次男もちょっと呆れ気味。とはいえ、有利の抗議を頭半分で聞きながら、彼は船員の理性に感謝していたのでした。ウチの可愛い子にちょっかい出さないでくれて有難う、と。(笑) そんな訳で、有利と次男、二人して子どもたちにマジックを披露しよう、ということに。マジックと言っても野球のマジックじゃありませんよ、有利。(苦笑)有利が提案したのは、箱入り美女の串刺しマジック。したり顔で頷いた次男(←この時点で既に企んでますよ!笑)から箱に入るよう指示され、有利は死にたくないと断固拒否。ならばと、自分が刺され役に名乗り出るコンラッド。「あなたにならどこを刺されても恨まない」と、さりげない笑顔で言う貴方に、私は少し引きました。(苦笑)そのうえ有利に断られると、ミス上腕二頭筋を指名して串刺せと言うんですから、私はご立腹。(笑)もちろん有利はそれも却下しましたけどね。(当然です!) 仕方がないと次男、次に提案したのは脱出イリュージョン。自分が外から指示するからと、とりあえず有利を衣装箱に入るよう促します。素直な有利は箱に入り、膝を抱え……閉じ込められました。えぇっ!?いいんですか、魔王にこんなことして!?窒息死しますよ!(←え?)
「つかまえた」と笑う次男の顔が目に浮かぶよう……。まぁ、その後に冷静な自己分析もなさってはいますが、それにしたって……。 騙された、とようやく分かった鈍感有利に、次男は悲しい顛末をお知らせします。寝ぼけたヴォルフラムの言葉を借りれば、「単なる告知表の剥がし忘れ」。……だったら初めからそう言ってやりなよ、コンラッド。有利を側に留めておきたいからってさぁ……腹黒いですよ?(笑)まぁ、ちょっとだけヨザックのことに触れてくれたから良しとしますか。触れ方は酷かったですけどね。フ…フ……。 |
「今日から(マ)王!はじ(マ)りの旅
プレミアムBOOK」special short storyより <<ザ・接待>> どこまで鈍感……いやいや、いい人なんだ有利!?どう考えても嫌がらせですよ、あれは。いくら異文化のギャップがあるにしても、相手が嫌になったり痛いことが接待として奨励されるはずないって!……信じる有利も有利ですが、サラレギーもどこまでも腹黒い。今回もサラに毒吐く可能性があるので、読みたくない方は回れ右。別にいいよ、って方は下のキラキラ線からを反転(ドラッグ)して読んでください。白抜きです。 |
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有難―い天国の話から始まるものだから、一瞬まるマなのかと不安になりました。魔族にとって天国なんて無縁でしょうから。でもその有難―いお話は繋がっていたのです……サラレギーの嫌がらせに。(怒)まったくねぇ、男同士の「あーん」のどこが接待です!?有利も、サラの指毛がどうとか、「魔球・あーんして」(←管理人、笑いました)だとか、完璧に思考が現実逃避を起こしてますよ。 それでも必死に自分に言い聞かせ、魔王なのに神頼み(ヴォルフが乱入しないこと&打点を稼ぐこと)までして口を開ければ……ほーら、サラは自分で食べちゃいましたよ。この時点で既に遊ばれてます、有利。なのに本人、「アダルトな接待」という用語の方に注目しちゃって、そのことに気付きません。 今度はサラの私室に連れ込まれた有利。しかも鍵までかけられ、有利もさすがに身の危険を感じます。が、サラが始めたのは自分の過去の肖像画自慢。有利の表現を借りれば、初めて遊びに行った彼氏彼女の部屋で、さして見たくもない子供の頃のアルバムを見せられる状態。しかしここにも落とし穴。十六歳のサラの肖像画はどれも、想像もしたくないような意味不明のポーズばかり。有利曰く、ほぼ全裸。さすがの彼も、これは接待どころかある種のセクハラではなかろうかと疑います。有利、「なかろうか」じゃなくて「セクハラ」ですよっ!!(←落ち着け) サラはサラで、美しいものは美しい時に残しておくべき、などと、どこかの超セレブ姉妹が写真集を出した時のような発言をします。それに対して「賢い」と、何とか無理矢理にでも褒めようとする有利の心意気は、素晴らしい。カリポニのことを思い出して不安になる有利の発想は、更に素晴らしい。(笑) サラから裸体画を残すことを勧められ、必死に拒否する有利。以前のヴォルフの時の腰蓑の有難さを実感した瞬間です。
断られて考え込むサラに、有利は慌てて言葉を掛けます。(しなくていいのに。←コラ)もっと普通の接待でいい、飯、風呂、ベッド……。そこで反応するサラ。風呂で洗いっこをしよう、と。あまりのことに、思わず珍種のラッコかと再び現実逃避をする有利の前に現れたのは、頑丈そうなデッキブラシを握った笑顔のサラ。 ……に、逃げて有利!ていうか、いい加減サラの嫌がらせだって気付いてー!!
そう叫ばずにはいられない話でした。有利、頑張れ。(泣) |