拍手お礼D−1
(有利+ヴォルフラム)
右へ、左へ。
「待てっ!ユーリ!」
「待てるかっ!」
しゃがみ、飛び跳ねる。
「なぜ逃げる!?」
「逃げるに決まってるだろ!?」
あちこちから飛んでくる火の玉を、有利は必死によけ続けていた。
その炎の発生源は、軽く卵を握るようにした、フォンビーレフェルト卿の掌。
「喜ぶべきだろう!?ぼくがお前の『はーと』とやらに、直々に火をつけてやると言っているんだぞ!?」
「だから、それはただの比喩だってば!本当に相手の胸に火をつけようとする奴なんていないって!!っていうよりそもそも、お前がおれのハートに火なんてつけなくていいからっ!!」
“ハートに火をつける”。
意味が理解できる日本人でさえ、そうそう恥ずかしくて日頃使わないであろう言葉。それをヴォルフラムに教えた張本人など、この国に一人しかいないだろう。
有利は、心中でこれでもかと叫んだ。
――ウェラー卿めっ!!
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★「(マ)王奥」で「ウェラー卿め!」を連呼する有利がツボだったので、書いてみました。(笑)
まぁ実際は、次男閣下は有利が危険な目に遭いそうなことは言わないかもしれませんが。(苦笑)
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