botan-aoNT分室 小説の感想 2botan-ao

 

062月号 <King of Origin×Great Wise

    The Beans VOL.6」の「通り過ぎた森の先に」を未読の方は、ネタバレになりますから、ご注意下さい。

 

満を持してのご登場、眞王さまと大賢者さまです。と言っても、大賢者の出番は後半だけですが。()この話は、ビーンズVOL.6を読んでいないと、謎が多いでしょうね。読んでおいてよかったー。(←をい)

冒頭は謎の占い師から。鉢に水をはって過去や未来を見る……これって魔鏡ですよね?眞王が持って行ってしまいましたし、ますます怪しい。まぁさすがに、“ラーメンどんぶり”なんて地球チックな例えは出ませんでしたが。()

大賢者は、やっぱり失った過去を取り戻そうとしているようです。でも眞王はそれは嫌なようで。弟かもしれなかったり、自分を狙ってきたこともあったりで、思い出して欲しくないという気持ちも頷けますけどね。

でもだからって、占い師に対してちょっと乱暴ですよね。“自分に敵意を持っている者以外は傷つけない”という信念()は曲げていませんけど。

そして、そんなこととはつゆ知らない大賢者。これからも過去探しを続けるようですが、その度に眞王は、先回りしては妨害しなければならないのでしょうね。大賢者ばかり苦労してそうなイメージでしたが、ある意味眞王も苦労人なのかも……と思ってしまいました。

ちょっとずつ明らかになっていく眞王と大賢者の物語。まだまだ謎は多いですから、気になりますねー。

 

 

063月号 <Murata×Yuri

さてさて今回のお話は、学生さんなら皆大きく頷いてしまうんじゃなかろうか、という試験前後の悲しい学生の姿がリアルに(笑)描かれております。

ファーストフード店で目を充血させながら、食べる気もなかったポテトを友人から奪ってヤケ食いをする渋谷少年。その原因は、学年末考査(←聖砂国編も無事に終わってる頃でしょうね)の出来の悪さ。……まぁ、これは仕方がないかと思います。だって、眞魔国でも魔王やりながらギュンターのスパルタ教育を受けてるんですもの。そりゃあ、状況的にも他の人より不利でしょうし、地球に帰ってきても 勉強する気なんて失せるでしょう。でも、歴史は数学よりできるようですから、さすがです。帝王学や異国語を覚えているだけあって、暗記ものは得意なのかもしれませんね。

そして、有利は相変わらず携帯を所持していないことが発覚。まぁ、いつ水に吸い込まれるか分からない御身分ですからね。でもムラケンは携帯を持っているようです。毎回買い換えているんでしょうか?

 そんなムラケン君は部屋もリッチ!自室に新しいゲーム機があるらしく、昨日泊り込みで勉強しにきた(←凄っ!)らしい渋谷君は、見事その誘惑にハマッたようです。これも学生さんなら頷いてしまうのでは?漫画やテレビも、試験前には毒ですよね〜。ほんと、むしょうに読みたくなるんです。(苦笑)

そんな切羽詰った有利を、ムラケンは熱心に海外旅行に誘い続けます。しかも名目は「卒業旅行」。……一瞬、二人が高三の時の話なのかと驚きましたよ。(←違いましたけどね。) コンラッドにちなんで(?)ラブミーテンダーを出したり、白いライオンの代わりにホワイトタイガーを出してみたりと、有利の好きそうなもので必死に食い下がるムラケン。それは、“友情”という、厄介だけど大切な感情を知ったから。……ほんと、よかったね〜、ムラケンっ!!(感涙)

そんな友人の熱意にうたれ、旅行を了解する有利。ただし、行き先は伊豆か箱根。(笑)でもまぁ、高一の二人旅で海外は、やっぱりリッチすぎるよ、ムラケン。九州人の私なんか、伊豆・箱根でも十分遠出なのにさっ。(泣) でも彼は、最後まで海外しか頭にありませんでしたね〜。スイスのことも出ましたけど……確か、例の箱がある場所でしたよね?「この間、僕ときみだけ行きそびれてるし」というムラケンの台詞も気になります〜。伏線になる……んでしょうか?(※←この後発売された「箱(マ)」で、実はスイスに禁忌の箱が無いことが、ムラケンによって明らかにされました。)

 

 

064月号 <Wolfram×Yuri

 読後、何だかとっても優しい気持ちになっちゃいました。やっぱりヴォルフラムは成長しましたよね〜。こういう彼が大好きです。(笑)

 さて、内容にいきましょう。その日は強風と大きな行事の準備のため、有利は暇。執務室で眞魔国版クロスワードパズル(お子様用)に挑戦していました。遊びながら単語を覚えられるからと、王佐閣下の推薦品です。自分には関係ない催しだからと、準備を手伝わずに秘書のように有利の傍にいたヴォルフラムも、そのギュンターの教育法に感心します。ちなみに管理人は、パズルの問題文をスラスラと読んでいる有利に感心しました。(←え?) いや、本当に凄いし、偉いと思いますよ。

 いくらお子様用とはいえ、所詮は地球人。パズルにある 眞魔国の常識問題でも有利には難問で、婚約者殿に教えてもらうことに。幼児の愛称が「蜂蜜ちゃん」や「お砂糖でできたお人形ちゃん」だと教えられ、有利はそう呼ばれているグウェンを想像します。彼はげんなりしたようですが、私は大爆笑でした。(笑)

 二つ目は、ロシュフォール地方に住む有名な山ネズミ、「ロッキー」。決して、千葉のテーマパークで活躍しているネズミさんではありません。(笑)

 その山ネズミは、戦争で戻らなかった人たちに、家族の言葉を運んでくれると言われているそうで。その話を聞いた有利は、ふと浮かんだ疑問を口にします。もし、自分が地球に行ったっきり戻ってこなかったら、ヴォルフはネズミに伝言する、あるいは泣いてくれるのか? そして、それに対するヴォルフの答えが……かっこいいっ!!男前だよヴォルフラム!(←落ち着け) あの台詞は、どこかマニメの最終回も彷彿させましたね。あの時は結局、泣いたのがヴォルフで、泣かなかったのが有利でしたが。

 原作でも最終回はあるのでしょうが……本当、どんな風になるんでしょうね。

 

 

065月号 <Josak×Gwendal

 きたっ!ついにきましたよ、ヨザックの出番がっ!!あ〜〜、久しぶりだーーっ!!しかも、私がNT分室の小説を読み始めたのは去年の11月からだったので、今回が初のヨザック話なんです。もう、大喜び!

……でも、ちょっと不安も走りました。ここからはちょっと、私の勝手な憶測を語っているので、白抜きにしています。これ以上ヨザックのことで不安になんかなりたくないわっ!って方は、ここを飛ばしてキラキララインの下から読んで下さい。(↓ここから白抜きです。読む方は、反転(ドラッグ)してご覧下さい。)

さて、どんな不安かといいますと。「宝(マ)」が出た時も確か、ヨザック祭りかのように、NTや特典小冊子がヨザック話だったらしいのです。そして今回、「箱(マ)」が出て、久しぶりのNTでヨザックの話……。追悼スペシャルとか考えてませんよね、喬林先生!?出番なくなるから今のうちにとか、そんなこと考えてませんよねっ!?ホントにそれだけは勘弁して下さいよっ!!!……と思ったのです、私が勝手に。

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 ……気を取り直して。ヨザックの秘密がちょこちょこと明らかに。何でも彼は、副職として地球で言う(?)「おかまバー」の経営をしているらしいのです。実にグリ江ちゃんらしいですよね。(笑) しかも大半は眞魔国の兵と知り、思わず肩を落とすグウェンダル閣下。それでも必死に、兵士の善し悪しは余暇の過ごし方じゃない、この店で気分一新して任務に気合をいれてくれればいいじゃないか、と自分に言い聞かせます。いい人だ。

 そんな閣下にお庭番は、日頃の憂さを晴らすべきだと、とある野球を勧めます。殺し文句は「陛下が好き」。……何だかんだ言いつつも、やっぱりグウェンも有利には弱いようです。(笑)

 さて、問題のとある野球とは「野球拳」。ジャンケンで負けた人が服を一枚脱いでいくという宴会ゲームですね。……何でヨザックの話って、この傾向?(NT8月号も下着ネタだったそうです。)そして、何とグウェン、アニシナ嬢とこれに似た遊びをしたことがあるそうです。文中ではサラッと流されていましたけど、結構ツッコミ所ですよね、ここ。ヨザックもショック受けてますよ、どっちの意味かは分かりませんが。

 勝負はヨザックの大敗で、彼はあとパンツ一枚を残すのみ。でもこれは、お庭番の見事なまでの“一瞬後出し”のなせる業。まさかこの上司をパンツ一枚にはできないと思ったのでしょう。そしてそれはグウェンも同じらしく、とっておきの部下(←やった!笑)が恥をかき、自尊心を傷付けないかと心配します。やっぱりグウェンはいい人だっ!!(←おちつけ)

 しかし最後の一枚を潔く脱いだお庭番は……葉っぱ隊の姿になっていたのです。(笑)何でも、自分で考案したらしい植物下着。彼は下着業界にまで手を出していたようです。そんなに色々事業を始められるなんて、結構兵でもお金を稼いでいるんですね〜。さすが優秀な彼!(←そんな話じゃないだろ)

 副職一杯の部下に、グウェンダルは思わず尋ねます。お前の本職は何だ、と。そしてお庭番の答えは。

『閣下の忠実な下僕ですよ』

 あ〜〜っ!主従関係バンザイ!!(笑)お互いを気遣える上司と部下って、やっぱり素敵だな〜と思いました。

 

 

06年7月号 <Cacilie×Anissina×Yuri

 今回は初じゃないでしょうか、ツェリ様の一人称話です。しかも3人出るせいか、いつもより少し長め♪

 見た目と違い長生きのツェリ様は、愛する人が先に逝ってしまう辛さを有利に訴えます。そこで日本のお盆について教える有利。うっとりするツェリ様に、「おぼんこぼん」で応戦(?)するアニシナさんが素晴らしかったです。(笑)

 さて、有利がツェリ様の部屋に来たのは、アニシナに子供の福利厚生に関する企画(眞魔国版ディズーランドを造ろう!)を持ち込むためだったのですが、レストランにネズミがいるとは不衛生だと、アニシナ嬢より一刀両断。子リスのような有利が落ち込んで退室する様子に、あんまりだと訴えるツェリ様。でもアニシナ嬢は、既に出ている猫公園の企画があるため、それは出来ないと言います。その企画を出した、毒女曰くの立場が弱くて小心者の人って……誰?グウェン?有利よりは立場が弱い、という意味でしょうか?(※←この猫公園の全貌は、魔王降臨祭inナンジャタウンで配られた、眞魔国日報に掲載された「白にゃんこ。」によって明らかとなっていました。)

 アニシナ嬢の、強い者は弱い者を守るべきだし、力は人を打ち負かすために持つものではない、という発言に、ツェリ様の思考は昔へと遡ります。その頃はジュリア嬢もアニシナ嬢もまだ少女。3人でのお茶の席へと少し遅れてやってきたアニシナは、長剣の勝負で引き分けたと、頬にアザをつけたまま言います。それに怒ったのが、ツェリ様曰くの「清楚な見た目に反して熱血漢」のジュリア嬢。(←好きだなぁ〜。)体格差も考えずに勝負するなんて卑怯だ、そんな奴(←おそらくグウェン)は完膚無きまでに叩きのめすべきだと燃え上がります。

 そこで発覚した事実。ウィンコット地方の兵は素手での格闘に秀でていて、ジュリアもその格闘の血をしっかりと受け継いでいる、ということなのですが……これって「箱(マ)」に通じてます?有利がサラを捻り上げたりヴォルフとやりあったりできた理由は、ここにありそうですよね。有利がジュリア嬢と同じ目が見えにくい状況下にあったからこそ、格闘の血が現れた。スタイルも素手だったし、おそらくそういうことなのでしょうね。

 そんなジュリア嬢から必殺拳を習ったアニシナですが(←だから雪ギュンターにも余裕で勝ったのですね。笑)、再戦を申し込もうというジュリアに首を振ります。その時の言葉が、さっきの台詞と同じだった……というわけです。

 何をニヤニヤしているのか、とすっかり大人になったアニシナに突っ込まれるツェリ様。成長してもずっと変わらない可愛らしい子もいる、と言うと、アニシナ嬢はグウェンのことと取った様子。何だかんだ言いいつつも、やっぱり彼女もグウェンのことが気になるようですね。ツェリ様はあえて真実は告げず、心中でひっそりと、若い人たちの成長を見守りながら長く生きるのも悪くない、と思うのです。

 自由気ままに見えるツェリ様ですが、やっぱりここぞという時はきめてくれます。ひとくせもふたくせもあるまるマの女性陣は、やっぱり素敵だなぁ〜と改めて思いました。

 

 

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