botan-ao ツバサTOKYO REVELATIONS 感想 botan-ao

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※管理人はファイさん好きのため、彼に感想が偏ることがあります。ご了承下さいー。

 

1巻 「魔術師の伝言」

もう、スタートからして原作のままにしてありましたね。(←放送されていたアニメの続き、という形ではなかったという意味です。)レコルト国から移動してきたこと、ファイさんが魔法を使ったこと、小狼君に異変があったこと。でもそうですね、確かにそれらはこの先の話に関係してきますから、欠かせませんものね。

 25分ということで、どこまで話が進むのかと思っていましたが、だいたい107〜115話の9話分。映像だと意外と早いんだなぁ…と改めて実感しました。

 

 さて、やっぱりカットされた部分やストーリーの流れが入れ替わった部分はありましたが、細かいところを拾っていくときりがないので、特に目立った2点について。

 まずは、タワーのメンバーの登場が大分後半になったこと。原作では黒鋼さんVS神威のシーンで登場でしたが、アニメでは小狼君やファイさんたちが外へ狩りに行った先で登場していました。これは…なんででしょう?やっぱり原作通りだと、一気に知らないメンバーが大勢登場し過ぎるから、観ている方がわかりやすいようにとの配慮でしょうか?それとも今後の展開に何か関係が?

 もう一点は、原作でいうと113話の冒頭、目覚めた小狼君の様子がおかしくて、黒鋼さんとファイさんが困惑…というシーンのカット。これは個人的にはちょっと残念でした。アニメではここを飛ばして、ファイさんは既に狩りに出てきていましたが、なんでファイさんがそういう行動に出たかという説明がなくなっちゃっているので、もったいないなぁ…と。できればそこのところも描いてほしかったですー。まぁ、時間が一杯一杯なのでしょうけれどね。

 

 あとは、ちょっとまとまりそうにないので、出てきたシーン順(たぶん)に箇条書きっぽく。どしどしいってみましょう!

◎絵がきれいでした!!冒頭の空なんて実写みたいでしたし。それに、戦闘シーンの動きの滑らかさ。マントのひらめき具合もすばらしくかっこよかったです。キャラクターの方は、場面や角度によっては「ん……」と思う時もありましたけど、やっぱり全体的にはテレビの放送時よりこちらの絵の方が個人的には好きです。

 

◎都庁のメンバーにファイさんが自分達を紹介するシーン。ファイさんの黒鋼さんへの渾名呼び、「黒鋼だ!」の黒鋼さん、どちらも懐かしかったです。その後の(原作にはなかったのですが)この国で働くことも、黒鋼さんがやるからとサラッと勝手に言ってのけるファイさんと、それに対して「勝手に決めるな!」とつっこむ黒鋼さんが、すごく彼ららしい。でも、この後のことを考えるとちょっと寂しい気持ちになっちゃったり…。(←いけませんねぇ、お笑いのシーンも素直に楽しめないなんて。)

 

◎怪我した小狼君の治療のために、一行が都庁内を歩いていくシーンですが、都庁の中は外の光が差し込んでいて意外と明るいのですね。原作では雨が降っていて暗い印象だったので、驚きました。都庁に対するイメージがちょっと変わりました。

 

◎黒鋼さんとファイさんが夜に語り合う、原作112話のシーン。ほぼ原作そのままでしたね。入野さん(小狼役)や稲田さん(黒鋼役)が見所と仰っていたシーンでもありますが、確かに迫力がありました。最後に部屋に残ったファイさんが、自分には難しいと呟く場面なんか、別人並に低―い声でしたし。役の方がどんな風に演じられるのか気になるシーンの一つだったので、耳をゾウにして聴きました。

 

◎小狼君、ファイさん、モコナたちが外に狩りに出て行くシーン。黒鋼さんがお留守番という場面で「ねー」「ねー」と言い合うモコナとファイさんが、ものっすごくツボでした。(笑)原作でも好きですけれど、音声まで付くとすごく可愛い二人組みです。

 

◎実際に獲物を狩るシーンでは、ファイさんの活躍も追加されていました。弓(でいいのかな?アーチェリーとも微妙に違うし)でしとめて「やるな」と褒められ、ファイさんが前の国で似たようなものを使ったことがあるから、と返していました。夜魔ノ国でのことでしょうね。スタッフさん、仕事が細かい!……と思ったのですが、よく考えたら脚本は大川先生でしたね。(苦笑)

 

◎同じく狩りで、自分も食べられるんじゃないかと慌てるモコナ。原作よりもオーバーに慌てていましたが、これまた可愛かったです。モコナは基本的に全体を通して可愛らしかったですー。やっぱり癒される存在です。でも次からは……あうぅ。(泣)

 

◎小狼君に助けられるものの、素直になれない那たく君。このシーンも個人的に好きです。でも、原作にあった遊人さんの解説も入ったら更によかったのになぁ〜とも思ったり。好きなんです、ここの面白い遣り取り(キョロキョロする小狼君とか、にこにこの遊人さんとか)!それに、解説が入るほうがわかりやすいですし。あ、でも、那たく君のほっぺが赤くしてあったから、照れくさいんだって何とか伝わるかな?

 

◎侑子さんが、実像『小狼』君が目覚めたと気付くシーンですが。四月一日君が!!声はなかったけど出てきましたよね!!あの割烹着の後姿に反応してしまいました。(苦笑)そういえば、ここでの飛王の台詞はカットされていましたね。まぁ、個人的にはそれは全く問題なかったのですが。(←コラ。)

 

 ……長い!(苦笑)次回はもっと簡単に感想を書くように心がけます!

 

 

 

2巻 「少年の右目」

 ファイさーん!!(泣)

 いや、タイトルからして今回は二人の小狼君たちがメインなのは分かってはいるのですけれど。やっぱり叫ばずにはいられない。拝観していて辛かった今回のお話です。勿論、サクラちゃんも、黒鋼さんも、モコナも、実像『小狼』君も、みんなみんな、今回のお話では辛い思いをするのですけれど。……あ、だからこんなに観終わった後に辛いのか。

 

 うん、でも気持ちを切り替えて書きましょう、感想を!

 今回も、116話〜124話の途中までの約9話分。16巻をまるまる映像化したような感じに近いでしょうか。流れも会話もほぼ原作通り。冒頭の侑子さんが実像『小狼』君を転送するシーンでは、ちゃんと後ろに傘を差した四月一日君もいましたし。(前回に続き、細かい!)変更箇所は前巻の方が多かったと思います。よく25分という短い時間に納まるなぁと感心しきりです。スタッフさんの苦労は相当なものでしょうね。

 原作通りということは、やっぱりシリアス街道一直線なわけでして。最初の方にあった、霞月君が「おかえりー」と出迎えるシーンぐらいでしょうか、ほのぼのとできたのは。前回は明るかったモコナも、今回は辛い表情ばかりでしたし…。ファイさんの声も、今回は出だしからずーっと、低いままでしたし…。

 

 あぁ、またさっきの暗めモードに戻るところでした。(苦笑)

前回に続き、絵も綺麗で、動きも滑らか。戦闘シーンもスピーディーで迫力あります。それに、個人的には演出も好きです。例えば冒頭。雨の中での侑子さんと実像君の遣り取りも、直接二人を映すのではなく、水溜りに映った二人を画面に出したり。その間に入る、店の縁側の風鈴の描写も効いていました。

でも、小狼君がファイさんの目に手やら歯やらを立てるシーンは、リアルすぎてむしろゾッとしました。小狼君の声が淡々としているので、余計に怖さが倍増しますし。

 …って、結局暗い感想になってますね、私。今回ばかりはこのテンポでご勘弁を。

 

 間にちょこちょこと入る回想シーンも、ちゃんとわざわざ描き起こして下さっていて、嬉しかったです。桜都国であったり、小狼君が藤隆さんと出会うシーンであったり。

 そして、サクラちゃんが目覚める直前に大切な人たちを思い返すシーンでは、ちゃんと原作通り、桃矢王たちや知世社長まで出てきたのですが。そしてその中での黒鋼さんの横顔もかっこよかったのですが。何より、モコナと一緒に楽しそうに笑っているファイさんの顔がっ!!(泣)もう、とっても綺麗に描いていただけて嬉しいのですが、展開が展開なだけに、この時にこんな笑顔を見せられるのは余計に辛かったです。(涙)あぁ、この綺麗な絵でピッフル国編とか観たいなぁ…。(←コラ)

 

 ファイさんといえば。今回、一箇所だけ残念だったのは、個人的に好きだった彼の台詞がカットされてしまったことです。たとえ小狼君の心が他者から与えられた偽ものだとしても、受け取る側にとっては真実だ、という言葉。

 確かに、他にもちょこちょこと変更箇所には気付きました。牙暁さんと黒鋼さんの夢見に関する遣り取りのカットや、最後のシーンでの黒鋼さんのファイさんの抱き方がお姫様だっこになっているとか。気付きましたけれど、せめてあのファイさんの小狼君に対する想いが詰まった台詞は残っていて欲しかったなぁ…と。まぁ、思いっきり個人的な欲なのですけれど。(苦笑)本編の時間、一杯一杯でしたものね。

 

 飛王も、遂に今巻で喋りましたね。声がテレビ放送時とは違う方でしたが、特に違和感はなかったです。

 二人の小狼君や、二匹のモコナも、声優さんは大変でしたでしょうが、演技分けが本当にお上手で。まぁこれは、「堀鐔学園3」でも感じたことではあるのですが。

 黒鋼さんが写し身小狼君に叫ぶシーンも、グッときました。そういえばこのシーンでは、黒鋼さんが回想するファイさんのこれまでの様子は出ずに、黒鋼さんだけ映っていましたね。

 

 うん、でも全体を通して見ごたえ充分です。絵も、声も、音楽も、もう、悲しいぐらいまでに原作の雰囲気通りでしたから。充分すぎて辛いぐらいでしたけれど。(←まだ言うか。)

 さて、次はサクラちゃんが一生懸命対価を取りに行きますが。ファイさんも黒鋼さんも、あんなことになりますが。実像『小狼』君もモコナも、辛いままですが。どこまで描かれるのでしょうね?原作通りなのか、多少は変わるのか。そしてどう締めくくるのか。3月の発売、心して待ちたいと思います。

 とうわけで、結局また長くなってしまった感想なのでした。(苦笑)

 

 

3巻「姫君の視た夢」

 率直な感想は、よく30分に収まったなぁというもの。今までは約9話分でしたが、今回は124〜135話の約11話分のストーリーでした。勿論その分、必要最低限の台詞だけで構成されており、カットされたセリフやシーンも多かったですが、もう今回ばかりはどうしようもないかと。スタッフさんが必死に30分内に納めようとされているのが伝わってきましたもの。

 最初は、そういう「尺を稼ぐためかな?」と思ったシーンについて語ろうかと。いや、単なる演出上の問題なのかもしれませんが。(笑)

 

 特に成程なぁと思ったのは、対価を取りに行くサクラちゃんと都庁に残っているメンバーの様子をうまく織り交ぜて映すこと。確かに、対価を取りに行ったサクラちゃんは誰かと一緒にいるわけではないので、必然的に台詞も少なくなるわけで。化け物たちと戦っているサクラちゃんの絵をバックに、都庁に残っている組の会話を流す。そうすれば、確かに尺も減ります。(ファイさんたちがどんな表情で会話しているのかも見たかった…というのも本音ですが、やっぱり時間のことを考えると仕方ありませんね。)

 似たような感じで、誰かがしゃべっている間に、別の人たちの無音のシーンを入れるというのも、今回は特に多く見られた気がします。例えば、原作で封真がサクラちゃんにバイク(?)の乗り方を説明する遣り取りがありますが、DVDではモコナと侑子さんの会話をバックに無音での遣り取り。それでも、封真がバイクを指差しながら何かを言って、サクラちゃんが頷いていれば、それだけで台詞は無くてもバイクの乗り方の説明をしているのだと伝わります。こういうちょっとした所でも、削っているのかなぁ…と思ったり。

 最後のEDは、まるで映画のようでかっこよかったです〜。そしてこの演出もまた、時間の関係もあったのかな?と思ったり。(笑)サクラちゃんが羽根を地下水槽に落として旅立っていくまでの間、もうバックにEDの曲を流していました。そして、曲のサビ部分から、真っ黒な背景に白文字でキャスト&スタッフを流すという、映画のようなシンプルな締めくくり。これも、もし1・2巻で使用していたED映像を使っていたら、先述した旅立ちのシーンは納まりきれなかったわけで。かっこいい上に尺も稼げるという、すてきな演出だなぁと思いました。

 

 さて、ようやく内容にいきましょうか。(苦笑)基本的には原作通りに進んだように思います。

 個人的に問題だった、対価を取りに行くサクラちゃんのシーンも、原作よりは少―しだけグロテスク度がマシにしてあったので、ほっとしました。もっとも、このDVDでも拝観していられるギリギリではありましたが。(苦笑)

 この辺りのシーンに関しては、化け物を銃で撃った後のサクラちゃんの罪悪感というか、そういう感情が原作よりも分かりやすく伝わってきた気がします。(倒れた化け物を、辛そうに眉をひそめて見詰めたり。)

 また、対価の卵のある場所にいた蛇2匹を銃で撃つシーンは、原作の見開きにあったまんま、サクラちゃんを真上から捉えるアングルで。映像にされると、迫力がある反面、痛々しかったです。その後、原作には無かった、何度か響く弾切れの音も、サクラちゃんの必死さや恐怖が伝わってきました。

 痛々しいといえば、あのサクラちゃんの右目が血で赤く染まっているのも、拝観していて辛かったですね…。

 

 ファイさんはファイさんで、問題の吸血鬼になるシーン。こちらも、思っていた程は苦痛の声を流されなかったので、何とか拝観していられました。(すぐ侑子さんたちの会話で消されたので。)また、「ごめんね」と気を失う瞬間のファイさんの動きは、かなり色っぽくなっていた気がします。

 ファイさんの声の調子は、2巻ほど低くなってはいませんでしたね。でも、目覚めての第一声はやっぱり、聴いていて痛々しかったですー。一緒に浮かべている笑顔も。言われた黒鋼さんも、そりゃあ、あんな表情になりますよ。

 彼の吸血鬼化に関する部分の会話も、結構たくさんカットされていて。個人的にはどれも大事だとは思うのですが、やっぱり時間の関係上、仕方がないですね。上げるときりがないのでやめておきます。

それと個人的には、侑子さんからサクラちゃんは外だ、と告げられた時のファイさんが、驚いた後に外にいる黒鋼さんたちを睨んだのが印象的でした。原作では確か、驚愕の表情だけだった気がしたので。

 

 絵はもう、相変わらず綺麗な背景でした。キャラクター自体の絵も、今回の巻が個人的には一番好きです。

 回想シーンの絵も、桜都国や日本国が出てきますが、毎回思うことは「この絵でN●Kのアニメも拝観したかった」ということ。いや、一瞬でもこうして拝観できたのですから喜ぶべきなのでしょうけれどね。(でも黒鋼さんの過去は、綺麗すぎて逆に辛かったですー。)

 

 本当は、拝観したいシーンがまだまだありましたけれど。モコナに抱きつかれてお礼を言われている神威とか、目覚めたサクラちゃんと実像『小狼』君が一瞬だけ見つめ合う切ないシーンとか、黒鋼さんがなんで背中の傷を治療しないのかとか、数えきれないぐらい。でももう、時間ばっかりはどうしようもありませんからね。むしろギリギリまで詰め込んでくれたスタッフさんに感謝です。

 特に目立った変更ポイントは、吸血鬼兄弟VS封真の戦闘がなかったことと……そして何よりビックリなゲスト、CCサクラの桜ちゃん。対価を持って帰るサクラちゃんに、都庁への道を教えてくれる役です。(←原作では、「東京」で亡くなった人たちの霊でした。)台詞はありませんでしたが、動く彼女が見られるので、CCサクラファンの方はチェックすべき…かも?

 

 というわけで、無事3巻出そろった「東京編」。原作を知らない方が観るには分かりづらい点もあるかもしれませんが、そういう方はほとんどいらっしゃらないでしょうし(苦笑)、全体的にはとても完成度が高いものだと思います。そして改めて思ったのは、これはNKでは放送できないよね、ってこと。(笑)

 本当はもっと、今回の小狼君や黒鋼さんやモコナのことも語りたかったのですが、そうするといよいよ長くなってしまうので、この辺で。

 

 

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